はぁ~と息を吐いて目を瞑る潤は、とても気持ちが良さそうだった。
だから私は身体に力をいっぱい入れて、痛くない、と我慢した。
「へ、平気よ。ぜ、全然痛くないから」
「いや涙目になってるし……菫あんまり力を入れないで、力を入れる程痛くなるぞ…」
潤の言う通り力を抜くと、ふっと痛みが軽くなった。それも魔法なの?とはさすがにこの雰囲気では言えなかったが…。
私の上で動く潤はゆっくり。体を気遣ってくれているように見える。
さっきまでは激痛ばかりだったけれど、その中に僅かに芽生えた快感に潤に全てを委ねた。
とても温かい温もりの中で、これ以上にないまでの幸せを感じて思わず涙が出そうになった。
痛いからじゃない。…これはきっと嬉しくて…嬉しい時も涙が出そうになるなんて不思議な物ね。
この夜。完璧に潤の物になった私は、ますます彼から離れる選択を選べなくなった。それどころか日増しに想いは強くなるばかりで…
もう離れたくない。お父さんと縁を切ってでも潤の側にいたい。そう考えるようになってしまった。