「ひー、あっははははは!!」
「ちょっと何笑ってんのよ!こっちは真面目に言ってんだから!馬鹿にしてッ!
さてはあんた私が男性経験がない事を陰で笑っているわね?」
「んな事ないって。それは寧ろ嬉しいよ。
でも無理はしなくっていいんだ。そこは菫のペースで全然構わない。怖いならば俺は一切手出しはしないし、長い付き合いだ。今更だよ。
俺は今、菫と一緒にいられるそれだけで嬉しい」
菫が真っ直ぐ優しく育ってきたのは、間違いなくおじちゃんたちに育てられたからだ。
曲がった所がなく実直で不器用なのは父親譲り。そんな菫だからこそ、昔から好きだったんだ。
そうであるのならば菫をこうやって育ててくれたおじちゃんに、俺は感謝している。彼がいなければ今の菫はいないだろう。
だからこそ、やはりおじちゃんにきちんと話に行かなければいけない。 そう心の中で決めて。
立ち上がり菫の頬にキスを落とすと、また真っ赤になって可愛い反応を見せる。その白い肌に俺の作ったウェディングドレスはきっと似合うだろう。
そして祝福をされる晴れの日ならば、大切に育てられた家族に見守られたいと思うのは、きっと菫も同じだろう。