遠回しの言葉なんて伝わらない。

ゆっくりと呼吸をして、隣に座る潤の手を握った。

体中が熱くなっていく。それは、今までに感じた事のない想いだった。 幼馴染だからじゃない。恋愛感情で潤が好きなのだと。

遥か昔から隠し続けてきた想い。 私は今絶対に顔が真っ赤だと思う。けれど、それ以上に向き合う潤の顔が真っ赤になってたから、何故か安心する事が出来た。

「私も潤が好きなんだと思うけど。どう思う?」

その言葉に、握りしめた手の体温が少しだけ高くなった気がする。

「何でさっき俺が言った事と同じ事を言うんだよッ」

「だって幼馴染だから好きなのは当たり前。それが恋人としての好きかなんてわからないじゃない。
私は潤を幼馴染としてではなく、男性として好きなのよ――
こんな事を真面目に言うのは恥ずかしい。だから中学が別れた時も潤がピアノを辞めた時も私から離れていく様で怖かった。私はあの頃からずっと潤が好きだったから
3つ目の願いは自分の力で叶えたい。
あなたは昔からずっと私に見せた事のない世界を見せてくれるの。そんな素敵なあなたに私は似合わないかもしれないけど…
お父さんに潤と一緒にいたいと伝えに行っても…大丈夫ですか…?」

目の前の潤が顔を真っ赤にし、眼を見開く。と思った瞬間に潤の腕が私を抱き寄せた。