「願いは3つまで叶えてあげられる。菫が願う3つ目の願いはなんだ?
どうやら映画ではアラジンは自分の為に願いを使ったのではなく、人の為に使ったようだ。ジーニーを自由にしてあげたそうだ。
俺も菫を自由にする3つ目の願いを叶えようか?菫の事が好きな俺と一緒にいる事は、まるで菫をここに閉じ込めている気分になる。
それでも菫は自由だ。大倉つー男と結婚するのもお前が決める自由だと俺は思っている」
「そうね、でもきっと願いは自分で叶えなきゃ意味がないって事だと思うの。
だからアラジンは最後の願いを自分の為に使わなかったんでしょう?それならば私もその願いは自分の為に使わないわ。
…私、もう少ししたら1回家に帰ってお父さんときちんと話してみる…。いつもいつも潤に助けられてばかりだったもの。今度は自分でお父さんに意思を伝えに行くわ」
その言葉に、潤は少し悲しい顔をする。
素直になるのってとても難しい。
ずっと幼馴染でいたというのなら、なおさら。
「伝えに行ってもいい?」
「え?」
「私はこれからも潤と一緒に暮らしたい。それが願いなの。でもそれは潤の魔法に頼らずに、自分の力で叶えに行きたいわ…」
「それって……」