「ごめんな。言い過ぎて…」

「いいのよ。私も直ぐに怒るのが悪い癖だわ…。」

「いや今回は俺が絶対悪い。勝手にヤキモチを妬いて不機嫌になっていただけなんだ。
馬鹿みたいだよな。小さな頃にした子供の口約束をずっと覚えていたんなんて…。なんつー女々しい男だっつー話だよ」

そんな事ない。私も忘れていない。

私もきっとずっとあなたが好きだったと思う。

私も…小さい時からあなたが好きだったと思う…。そう思うけど、どうなの?

思っていてもどうしても口に出来ない。素直じゃない自分が嫌になってしまうわ。



無言になっている私に対し、潤は手を引っ張った。いつもいつも仲直りは潤の方からだった。私は素直になれない人間だから。

だからいつも素直で真っ直ぐで太陽のようなあなたは、私にとって酷く眩しい。

「なぁせっかくの休みだ。どこかに行こうか?何かしたい事ある?」

ほら今だって、私の機嫌を取るように潤は優しく微笑むのだ。

「今日は外には出なくていいわ…。私、潤と一緒にアラジンを見たい…
潤と一緒に見ようと思って借りてきたの…」

「いいね、俺実写版はまだ見た事がなかったんだ。すごく評判の良い映画だとは聞いていたけど。
俺と一緒に見たいと思って借りて来てくれたんだね。昨日はなんかごめん…」

「それは…もういいのよ…」

やっぱり言えない。
伝えたい事は沢山あった筈なのに。