「お母さんの方が心配しているみたい…。結構連絡が来て電話はしているんだけど。すっかり弱気になっちゃったみたいで」

「そっか、俺今週末は実家に顔出す予定だからそれとなくおばちゃんの様子見て来てあげるよ」

「そうだ。潤のおばさんの体調は大丈夫なの?」

心配そうに眉を下げてこちらを見る。

「今週末から入院するみたいなんだよねー。でも検査入院みたいだから大丈夫だよー。
なんていったって昔から元気が取り柄のような人だから。かーちゃんよりおばちゃんのがずっと心配だよ…」

「あの人は弱々しい人だから…。
そう…潤今週末は実家に帰るのね。丁度いいわ、私も出かけようと思っていた所だから」

そう言って、また大きなため息を吐く。

「出かける?」

「そうなの。前に話したでしょう?お父さんが気に入っているって言ってた大倉さん。
あれから彼の連絡はずっとしかとし続けていたんだけど、かなりしつこくって…。もう一度だけ会いたいとか言ってきて」

「でもあんな奴と会うのは危ないよッ!」

「分かってるわよ。今回会うのはきっぱりと断ろうと思って。
きっぱり断れないのは自分の悪い癖だって分かってるの。でも潤と一緒に暮らしてあの人とは絶対にやっていけないって思った。
だからこそ逃げてばかりいないできちんと向き合わなきゃいけないって……。」

「でも……心配だよ」

その言葉に菫はニカっと笑った。