____

「これが私の過去のお話」

そう言って笑った胡桃はすぐにでも壊れそうだった。

思わず胡桃を強く抱きしめる。

「……妃奈?」

「話してくれてありがとう、私はっ、バケモノなんて思わないよ……」

泣きながら胡桃に話す。

「吸血鬼なんて全然バケモノじゃない、その子達は間違ってる。 胡桃が好きだった男の子も」

「……うん」

「胡桃は胡桃だよ」

「……ありがとう」

ボロボロ泣き出す胡桃の背中を優しくさする。


___私は“人間”だよ!


あの時どんな思いで言ったんだろう


「大丈夫だよ、私はずっと胡桃の友達だよ」

そう言って私は胡桃の頭を撫でた。