裏路地に入ればそこには有栖川にのしかかられている妃奈がいた。

「妃奈っっ!」

叫んだ途端に有栖川が倒れ込む。

「意識を失ったみたいだね……」

近くには男3人が倒れていた。

「紅……?! あと、雨衣さん達まで……」

「お前の助けを呼ぶ声が聞こえたんだよ」

「そ、そうなの……? 良かった……」

ボロボロと涙を流す妃奈。
多分有栖川はフラッシュ状態になったんだな……

「ごめんな早く来れなくて」

ぎゅっと抱き締めれば抱き締め返してくる。

「こ、こわかったぁ……しぬ、かと……」

「もう安心しろ、大丈夫だから」

頭を撫でれば落ち着いたような顔をする。

「胡桃は俺が持つ」

そう言って胡桃をおんぶする雷火。

「一旦俺の家に帰ろう、妃奈も。 何かあったか言ってくれるか……?」

そう言うと妃奈は頷いた。