「ゔゔ……ぐぅぅ……」

「お、おいお前なんだよ……」

吹っ飛ばされたお兄さんが青ざめた顔をする。

「うがぁぁっ!!」

唸り声をあげた胡桃がお兄さんにのしかかる。

「アイツなんなんだよ……」

「これやばいんじゃねぇの……?」

私を襲ってた男2人が私から手を離した。
その隙に脱がされそうになってた服を元に戻す。

「胡桃……」

のしかかった胡桃は男の首に噛み付いた。

「いてえええええ!!!」

噛み付かれた男は目から涙をこぼす。
それでも胡桃は首から血を吸う。

やっぱり胡桃は吸血鬼だ。

気を失った男を放ったらかしにし残りの男にものしかかる。
口の端から垂れた血が男の服を汚す。

「助けてくれっ!」

男が私に手を伸ばす。

「胡桃、これはやりすぎだよ!」

胡桃に話しかけるも全然話を聞いてくれない。
どうしよう……!

考えている間に残りの男も気を失ってしまった。
残るは私ただ1人。
誰か助けてっ……!