すると、一人の男がサッと手を挙げた。
「早瀬、お前は男だろう」
クラス中、笑い声がもれる。
「そこまでバカじゃないっすよ!推薦したい人がいます」
「誰だ?」
先生が聞き返すと、ニコリと笑いながら私を見た(気がする)
嫌な予感がする…
「吉岡 芙実香を推薦しまーす!」
「は?」
思わず声が出る。
早瀬くんはもう一度私を見て笑った。
嫌な予感は当たってしまった。こういうときばっかり当たるんだよなぁ。
「あたしも芙実香を推薦します☆」
と菜月ちゃん。裏切ったぁ!!「☆」じゃないよ!菜月ちゃんは、私を見てニヤついた。
「それなら、吉岡で決まりだな!」
「いや、その」
「よろしく頼むな!」
私の声は虚しく、先生の声によって掻き消された。
先生の笑顔は断るなと言っているようだった。
拒否権はないらしい。
その後、菜月ちゃんは普通に英語係になっていた。
こうして、私は学級委員になってしまったのだ。