「なんで嘘ついたの?!」





「俺が払いたいから。」






私は少し拗ねていた






だって払えなかったから…






私が騙されたのも悪いけど払いたかったから






少しの間の沈黙を破ったのは凌牙くん






突然、私の口元に大きい何かを当ててきた






いい匂い……





甘い香りの正体はさっき凌牙くんが買ったりんご飴の1つだった






「ん!な、なに?!」





突然すぎて驚いた





「そんな怒んないで……食べよ。」





目の前には凌牙くんの整った顔に優しい声






「っ!!!!!」





これはドキドキせずにはいられなかった






本当にずるいんだから…






「わ、わかっった!たべるよっ!怒ってないから…」





私って単純だな…






凌牙くんの1つ1つの行動で心が大きく揺れる






「よかった。俺さ、真菜の喜ぶ顔が好きだからもっと見たくてな。だから払いたくなるんだよ。」