―劉磨side—

なんでこんなにうるさいのかと思ったら知らない3人組が校門のところで黄色い歓声を浴びていた。こんなに歓声が上がるなんて俺たちの時以来だな。

「転校生か…?あいつら知らない。」

俺としてはなんとなく好かない。なんつーか、やばそうな匂いがする。

「ん?そこの姫、かわいいね。俺らの姫にならない?」
「え…?私?」

「そうだよ、プリンセス。俺の名前は白銀輝石(しろがねきせき)。今日からここの中等部に通うことになってる。よろしくね。」

なにがプリンセスだ。花月が迷惑そうにしているのを気づけよ。

「うん、とてもかわいらしいですね。初めまして、私は橙李仁(とうりひと)です。中華圏から来ました。」
「もしかして、君が花月ちゃん?さっきあそこのお姉さんたちに聞いたんだ!あ、僕は琥珀琉生(こはくるい)。初等部6年だよ。」

「それはどうも……白梨花月です。」

「もしよろしければ学校案内をお願い申し上げます。」
「いや、私も来たばかりなので私に聞くよりほかの方に聞いたほうが良いかと…。」

「お姉ちゃん、手をつないでくれる…?」

あいつら何を好き勝手にやっているんだよ。だいたい花月も花月だ。あんなやつら振り払えよ。


「年下相手に嫉妬とは心が狭いね~。」
「おい水瀬、どっからわいてきた。」
「人を虫みたいに言わないでくれる?心狭男くん。」
「ほう~、それは誰のことだ?」
「さあ、誰のことでしょう?それよりいいの?花月ちゃん、連れてかれそうだけど。」

「チッ…花月、先生が呼んでるのを思い出した。行くぞ。」
「え、ちょ…。」

何を俺はムキになっているんだ。たかだかこいつらと話しているだけで。

「あんた誰?俺たち花月と話してるんだけど。」

年下のくせにあんた呼ばわりかよ。花月のことも呼び捨てにしてるし。

「赤羽劉磨…高等部1年。」
「なーんだ、先輩じゃん。よろしくね、先輩。」

「年上にはもっと敬意を示したら?」
「はーい。じゃあね、花月。」



俺のことをにらんだ後3人組は校舎のほうへ向かっていった。



なんなんだよ、あいつら。


「劉磨さん、先生は?」
「いや、もういい。」