「な、なにっ」
ようやく離してくれたかと思うと、背中を岩みたいなところに追い込まれる。
「何に怒ってるか教えてください。」
「…れいちゃんだって怒ってる。」
「じゃあ、俺から言います。」
な、何を言われるんだろう。
「怒ってるって言っても俺はそんな無防備にその格好大勢に見せないでほしいってことくらいです。」
「…似合ってない?」
「…似合っててめちゃくちゃ魅力的だから言ってる。」
目があったれいちゃんはいつもの優しいまっすぐな瞳じゃなくて、
獣みたいな少し余裕のない瞳をしていて、
それに気づいて一気に顔が赤くなる。
「で、でも、視線逸らした…」
「…いきなり彼女の水着姿ガン見できるやつおかしいと思う。」
「手…避けた。」
「…触れられると我慢できなくなりそうだった。桃奈さんの気持ち的にもまだ弟って思っててそういう対象じゃなかったとか思わせたくなかったのも…あります。」
心配…させてたのか。
それで私のために我慢してくれてたんだ…
「他には?気になることありますか?」
目線を合わせて聞いてくれる。