心の中で悪態はつくけど、
言えない。
だって長いこと待たせてしまったのは他でもない私のせいだし。
私は綾とか茉由ちゃんみたいに綺麗なタイプでもないし。
「あのっ、彼氏いないんだったら、俺らと少し遊びませんかっ」
「え?いやー、日焼け止め塗ったら合流するし大丈夫だよ?」
なんで彼氏いないことになったんだろう。
あの中にはいないけど…。
「気を遣ってくれてありがと。でもこうやってボーッとしてるのも好きだから、みんなで遊んでおいで?」
と返して、やんわり追い返す。
しぶしぶ離れてくれた後輩くん達には申し訳ないけど、今笑顔を貫けるほどメンタルが整ってないんだもん。
「はぁ。」
ため息をまたついて、
塗り終えた日焼け止めを片付ける。
更衣室で背中は綾に頼んで正解だったなぁ。
立ち上がろうとしたら、
「彼氏いない遥先輩のお姉さんだ。」
聞き覚えのある声が後ろからする。
振り向くと少し不機嫌なれいちゃん。
なんでれいちゃんが不機嫌なのかわからない。
「れいちゃん」
とりあえずなんで機嫌悪いか聞いて謝ろうと思って、
れいちゃんの腕に手を伸ばしたら、
スルリとさり気なく距離を取られる。
…なにそれ。