しばらく早歩きして、家の近くで、

「爽くん荷物ありがとう!ここまでで大丈夫!」

「もも、」

「お願い…大丈夫…もぅ、爽くんに逃げちゃダメって決めたの…」

爽くんは軽くため息ついて、

頭を撫でてくれる。

「どうしてこうも俺の妹は不器用なのかね。」

「…妹?」

「なんか、あの日から俺には晴翔と同じくらい可愛い身内に思えちゃうんだよね。」

と爽くんが苦笑いする。

「爽くん…彼女いないの?」

そういえばと、ずっと思ってたことを聞く。

「いないよ、好きな人はいるけどね、奔放でまるで俺のこと眼中にないからね!」

なんて笑ってる。

「わ、笑い事?」

「いいのいいの、あいつ一生彼氏できないし、俺しかいないから!」

す、すごい自信だ。

「またももにも会わせるよ。」

「い、今まで私が爽くんのとこに逃げ込んでたの…爽くんも爽くんの好きな人も嫌な思い…させたよね?」

気になってたことをこの際だからと聞く。

「いや全然!ももの話もするけど、俺が逆にももに冷たくしたら縁切られると思うよ!」

すごい大人なひとなんだなぁ。

私なんて一緒に買い物してるだけでモヤモヤするのに…