夢かと固まる。
桃奈さんが頬にキスして、
「れいちゃん、頑張って。」
と伝えてくれて、
それだけでも動揺してるのに、
もう一度キスして、
「勝ったら…今度デートして?」
なんて可愛いこというから。
目を見開いて、
桃奈さんの方を見たら、
見たことないくらい真っ赤。
でもスッキリした顔で笑って、
「れいちゃん固まった!」
と楽しそう。
〜っ!
喜びがこみ上げる。
「桃奈さん、俺とっ、」
言いそうになった言葉は桃奈さんの手で遮られる。
「…勝ってから。」
ああ、もうずるい。
でもいいよ、いくらでも俺は待てるよ。
もうずっと待ってるから。
だから、貴方がまた悩む前に、
大好きなバスケをする時間を伸ばすためにも
勝ってくるよ。