やっぱり、男の子がそばにいると条件反射で身構えてしまうっ……。

どうして、水城さんは大丈夫だったのかな……。


改めて、不思議だ……。



「あら、おはよう田邊(たなべ)くん」

「おはよう。杉宮さんも」



にっこりと笑顔で挨拶をしてくれたのは、同じクラスの田邊くん。

成績が良くて運動神経もいいらしくて、まさに絵に描いたような優等生。

その上男女分け隔てなく仲が良く、クラスの人気者的存在。


この人は他の男の子よりも怖くないけれど……それでもやっぱり、怖いものは怖い。



「お、おは、よう……」



無視をするのも失礼なので、なんとか返事をした。



「ミナちゃんどうしたの?すごく疲れた顔して」

「そうなの……もう一大事……」