朝、目が覚めると、そこは知らない部屋。

真っ白な壁に、あぁ、そういえば昨日は蒼のホテルに泊まったんだったと思い出す。

はっとして、今の自分の恰好を見ると、もちろん何も身に着けていない状態。

慌ててベッドから降りてそれらを探そうとする、けれど。
腰に腕を回されて起き上がれそうにない。

「…蒼、起きてるんでしょ。」
「なんだ、バレてるか。」

そう言いつつも、腰に回した腕を緩めることはなく、むしろ蒼に引き寄せられる。

「ねえ、服を着させて。恥ずかしいから。」

何とか蒼の腕から逃げようとするのに、蒼もそのたびに力を強めていく。

「昨日あんなに見せてくれたんだから、今更恥ずかしがることないだろ。小さい頃は一緒にお風呂も入ってたんだし。」
「それとこれとは別なの!それに、途中からあんまり覚えてないし…」

ボソッと呟いた言葉も蒼の耳に拾われていて、蒼の何かを刺激してしまったらしい。

「ふーん、じゃあ、思い出すためにもう一回しておくか。」

え、ちょっと待って、と蒼から離れようとより力を強めたのに、私の腕を押さえて、上から見下ろされる。

「良い眺め。」
「ばかっ、変態!」

足をバタつかせるが、しっかり体を押さえられている以上身動き取れず、蒼から顔だけ逸らした。