「は、はい……」

先輩からそう言われた頃、私はもうフラフラだった。いつもより疲れてしまっている。

重い足を引きずるようにして休憩室まで行き、お弁当を食べ始めた。十一時にもなっていない休憩室には、私以外誰もいない。

「ここで幸野さんに告白されたんだよね……」

そんなことを考えながら卵焼きを口の中に入れる。仕事をしている時より、休憩時間の方がやけに長く感じた。

お昼休憩が終わった後、私は急いで病棟へ戻る。今日は昼食を配るのは一人でしなければならない。早めに行っていつでも昼食が配れるように準備しないとね。

「田中さん!もうすぐお昼ご飯なので、エプロンをつけますね」

病室を回り、患者さんにエプロンをつけたりテーブルを出したりする。すると、患者さんの昼食を乗せた大きなカートが運ばれてきた。

「花見さん一人じゃ大変でしょ?俺も手伝います」

昼食を配ろうとした刹那、幸野さんに声をかけられる。驚いた顔をする私に幸野さんはニコリと笑ってくれた。