「言うだけ無駄だから、どうせ納得なんか出来ねぇよ。優樹菜、部屋に入って寝てて、後で行くから」


これ以上、体調不良な奴を居させるわけにはいかない。


「あ、う、うん」

優樹菜は困惑しながらも、部屋に戻ろうとしたが


「ダメ、ここにいてもらう!」
と、由奈は言った。


優樹菜は困ったように、涙を滲ませたような目をしてこっちをみた。


「恵都君、優樹菜の好きなとこ言っ…!」



由奈を黙らせる為に、勢いよく壁ドンした。



ダンッ…!


「その口、黙らせてやろうか?」

由奈の口に俺の口を近付けるフリをした。
由奈は、俺を押し退けた。

ドンッ。

「来ないで!そんな感情のないキス嬉しくない!!」


「ほんとにキスされるとでも思っちゃった?…
お前なんかにするわけねぇよ」

「何その言い方!酷い!」



チラッと優樹菜をみると、スーッと力が抜けたように座り込んでいた。