時計の針が動く音だけが聞こえる。
30分経過したけど、まだ戻ってこない。

寂しい...
ベッドに置いてあるイルカの抱き枕を抱いて
寂しさを紛らわしていた。




コンコン

あ!来た!と思って、ガバッと起き上がって
ドアを開けると、そこにいたのは優希人くんで.....


「具合悪いの?大丈夫?優樹菜は、俺の妹だからさ、なんかあったら何でも言ってくれていいからさ」


驚いて声も出なくて、動く事もできなくて
身体が硬直していた。

「1階でさっき、由奈がお前の兄に抱きついてたよ」


え?


「寂しかったんだろ?」


「.....」


「これ、俺の電話番号だから、困ったことあったら電話してきな?」


優樹人君は、紙のメモを私の手に握らせた。


驚いて、声が出なくて、コクっと頷いた。