ドキッ…


「...優樹菜と私は、実の姉妹なのに!それを贔屓するなんて、最低っ!」

倒れそうになったからなのか、こんな空気感だからなのか、なぜか心臓がうるさい。


しかも、居づらい...



恵都兄にはお礼を言って、すぐ離れようとしたのに離してくれず、え?と顔を見ると、

「2階までこのまま連れて行くから」

ボソッと言って、私はなんだか安心した。
守ってくれるし、いつも助けてくれる。

すると、後ろで、甲高い声が聞こえる。

2階まで連れて行ってくれて、
恵都兄のベッドで横たわらせてくれた。

「ホント、アイツうるせぇ.....ほら、ここで寝てて。学校は明日から行けばいいから」


「ん、恵都兄は?」

「飲み物、取ってきてやるから、大人しくしてろ」


と言って、そっと部屋を出て行った。