「はい」

ガチャ

「あの、優樹菜ちゃんのお部屋ってどこにありますか?」


「優樹菜の部屋はないけど」

チラッとベッドからみると、遥くんのお友達!
なんだろう、私に何か用かなぁ?と、
ドキドキした。

「え、てことは、どっちかの兄貴の部屋でいつも寝てるんですか?!」

「今日は、俺の部屋」

「ちょっと優樹菜ちゃん呼んでもらっても
いいですか」

「…あ?何の用?」

初めて聞いたぐらい低い恵都兄の声が
少し離れたベッドにいる私にも聞こえた。


「優樹菜」

低い声で、恵都兄に呼ばれた。
それは、不機嫌な声…


私は部屋のドアを閉めて廊下に出ると
じーっとみつめられて戸惑う。


「…えと、あの?」