「ただいま」
「あっ、恵都くん〜お帰りなさい!優樹菜を置いてお出かけなんて珍しいねっ♪」
なんか、わからないけど、嬉しそうな由奈が来た‥
「さっき、優樹菜が彼氏?と玄関前で会ってたの、
由奈見ちゃったぁ〜!恵都くんは、いつも由奈の事ボロボロにして、優樹菜の事、頑張って守ってるけど、もう
守ってくれる人、見つけたみたいだよぉ〜?」
なんだそれ‥彼氏?いつの間にそんな存在‥
カフェ行く先輩の事か‥?
「‥‥」
「聞いてないんだねぇ〜?由奈も、初めて知っちゃったんだぁー♪あんな子でもできるんだぁ〜ふふふっ」
由奈の言うことは無視して、部屋に行くと、
ぐすぐす泣いてる奴がいた。
「何、まだ、泣いてんの?ホント泣き虫すぎてムカつく」
「恵都兄っ…!」
「彼氏できたなら、ソイツに慰めてもらえば?」
勝手に適当に出てしまった言葉…
思ってもない言葉を言ってしまった事に、後悔した。
「‥彼氏??なんの事を言ってるのか、よくわからないよ」
は?
「彼氏なんて、いないのに…。誰から聞いたの??」
「さっき、由奈から聞いたんだけど」
「……恵都兄こそ、彼女さんできてたなんて知らなかった‥」
「は?」
「素っ気なく、部屋出てっちゃったんだもんっ…いつも先輩の話した後は素っ気ない気がするよぅ…」
「心配なんだよ…変な奴が寄ってこねぇか…可愛い妹だから…」
「え…?」
「…てか、彼女じゃねぇーよ、職場仲間で買い物行ってただけ」
「えっ?そうなの?」
今まで泣いてたのに、涙が止まって、驚いた様子のまま固まっていた。