……そっか


私が勝手に逃げてて、気づかなかった


でもそうなると、私の頭の中でいろんな疑問が浮かんできた


「じゃあ、今までどうやって生活してきたのよ」


この一緒に暮らしてた2年間が、とても気になる


「まずは、中2の時だね。養子の話が出て、俺は即座に断ったんだ」


そんな時から、考えてたんだ……


「高校は、特待生を取って、学費を浮かそうと考えてた。結構、すんなりいったよ」


さすが、祐


天才にも、ほどがある


「養子縁組の書類を書いたのは、万が一って感じ。養子にならなきゃいけなくなった時のために、って二人が管理してくれてたんだ」


「それを私が見ちゃったんだ……」


「まさか、美音が知ってるだなんて思わなかったよ」


祐は、笑いながら言った


「生活費も出来るだけ父さんたちの遺産で払うようにするって言ったんだけど、祥子さんと連太郎さんにそれは止められて……」


「いいのよ。学生なんだから、今を楽しまないと」


「そうだな」


お母さんとお父さんらしい


「まぁ、そんな感じで、俺は生活してきたんだ」


「そんなことがあったんだね……」


私、本当に何も知らなかったんだな……


「……祥子さん、連太郎さん。お二人にお話があります」


祐は、お母さんとお父さんの方を向いた