眩しい…。



まばたきを繰り返して、ようやく明るさに慣れた時、


目に入ってきたのはベッドの側に座るカズくんの姿だった。



何かを考えているような怖い顔。



初めて見るよ、カズくんのあんな表情。



私が目を開けたことに気付くと椅子から立ち上がってまだ怖い顔を少し残したまま私のベッドの側に立った。




「ここどこ?」



「お前、観覧車の中で倒れて…ここは医務室」



「…ごめん」



カズくんはため息をついて、



「あんま心配かけさせんな」



私の頭をぽんと叩いてからやっと笑ってくれたから、


急にほっとして涙が出てきたんだ。



布団を目まで引き上げて泣きつづける私の手をカズくんは黙って握っててくれた。



私、何かを忘れてたことすら知らなかった…。