さっきから窓の外ばかり見てるharu。



その眼差しは哀しいんだけど、どこか懐かしいものを見てるようにも感じられて、



自然と私はharuの見てる風景を窓から覗いてみたんだ。



ゴンドラはちょうどてっぺんにほど近く



広がる夜景のキラキラがすごく綺麗…。



夜景…。



……っ?



ふいに一瞬頭の中に浮かんだある光景…。




それは、今目の前に広がるとよく似た光景で。



というより同じ…?



だけど一瞬で消えとしまったその残像を探すように、私は小さく頭を横に振った。



今の何?



頭に一瞬広がった景色は、「誰か」の肩越し?だった?




…私、




もしかして誰かと、この景色を見てた…?。




その時の穏やかな幸せの感触がうっすら頭に、


体に、


胸の中に感じられる。



誰?



舞?カズくん?



…ううん。違う。



わからないけど、違う気がするの。