「haruさん、俺haruさんの曲すきなんですけど」



沈黙に助け舟を出してくれたのはカメラマンさん。



ありがと!



やっと離れた視線に私はひとつ大きな息をついた。



「haruさんの曲のなかで幻の名曲あるって聞いたことあるんですが、発表はしないんですか?」



続けたカメラマンさんの質問にharuはまた窓の外を向いて、少し間をおいて



「忘れました」



とだけ言ってからまた黙り込んでしまったんだ。



さすがにカメラマンさんも私も言葉は続かず、マネージャーさんだけが、haruのイメージダウンをおそれてか、少し焦ったようににこにこしながらharuをつついてた。




この前も感じてたことなんだけど、haruの体からはとてつもない哀しみがあふれてるような気がして、



それは特にこの観覧車に乗ったところからますます強くなってる気がするのはただの気のせいなんだろうか…。