「では作戦通りに行こう」

ネイサンの言葉にロネたちは「了解!」と返事をし、動き出す。ロネはほうきに跨がり、ナタリーは巨大な翼を広げて空へ飛び上がった。

「ロネ……」

ロネも飛び出そうとした刹那、ゾーイに声をかけられる。ロネが振り向くと、ゾーイは「これを……」と何かを手渡した。それはカランコエの花で作られた押し花だった。

「お守りに持っていてくれ。カランコエの花言葉はあなたを守る。私はここから動けないが、ロネの心の支えになりたい」

そう言うゾーイの頰をロネは優しく撫でた。

「もう十分支えになってくれてるよ」

ロネはほうきで空へと飛び立つ。その様子を、ゾーイはロネが見えなくなるまで見つめていた。



ロネは空を飛びながら地上を見つめる。斧などの武器を持った街の人たちが森の中へ一斉に入り込んでくるところだった。

ロネたちの考えた作戦は、街の人たちがゾーイを見つける前に森から追い出すことだった。ネイサンがロネが魔法で作った隠れ家にゾーイと待機をし、ロネとナタリーが上空から街の人たちの動きを見る。