黄色のボタンやアクセサリーのついた白い軍服のような衣装を着たロネは、ほうきに乗って木の影から街の方を見る。森の入り口には多くの人が集まっていた。

「……来たな」

ロネのようにアクセサリーのついた深緑の軍服のような衣装を着たネイサンがロネの背後から森の入り口を見て呟く。ロネは緊張しながら頷いた。

街の人たちがまたゾーイの命を狙ってやって来た。この日で戦いは終わらせたい。ロネの体に力が入っていった。

「とりあえず、ゾーイたちに知らせよう！」

「ああ」

ほうきの向きを変え、ロネとネイサンはゾーイとナタリーのもとへ戻る。この日のために作戦を立ててきたが、予測していないことが起こる可能性も高い。ロネは成功することを何度も祈った。

「街の人たちが攻めてきたか……」

ロネとネイサンがほうきから降りると、黒いマントのついた深い青の軍服のようなワンピースを着たゾーイが言う。表情から全てを察したようだ。