「ロネ、アテナ!二人とも数週間もどこに行っていたの!?心配していたのよ!!」

「お前たちがいない間にとんでもないことになっているんだ!!」

ネイサンとナタリーが心配げに言う。二人は街の人たちを一旦追い払った後、ロネたちを探していたらしい。しかし、ロネたちの行方はわからず偶然ロネたちを見つけたためカフェに慌てて飛び込んだらしい。

「そうか。心配をかけてしまってごめん」

ゾーイが二人に謝ると、「何かあったのか?」とネイサンが訊ねた。ゾーイが苦しげな表情をしていたため、ロネが「実は……」と森の中での出来事やゾーイの過去を話す。二人はしばらく沈黙していた。

「……これからはアテナじゃなくてゾーイって呼ぶね」

数分後、ナタリーがニコリと微笑む。そして、「名前が変わっても友達であることに変わりはないから」と言った。ゾーイの瞳が見開かれる。

「俺たちは仲間だ。過去なんてどうでもいい」

ネイサンもそう言い、ゾーイの肩に手を置く。ゾーイは「ありがとう」とまた涙をこぼす。