ロネが隠れ家のある地面に降り立つと、「アテナの仲間だ！！」とあちこちからユミルの仲間が現れた。全員大きな剣や槍を手にしている。

「ごめんなさい、ゾーイのもとに行きたいんです……」

ロネは杖を取り出し、鎧に身を包んだ人々に向かって光線を放っていく。突然攻撃が始まり、人々は戸惑い始めた。

「フラーモ！！」

ロネがそう呪文を唱えると、炎が渦を巻いて杖から飛び出していく。そして続けて水や雷で攻撃をする。

「……こ、こんなに強い魔法が使えるなんて聞いてないぞ！！」

人々が戸惑い、ロネは「特別に俺が強いわけじゃないよ」と言い放った。

「ただ大切な人を守りたいって思っているだけ」

そう言い、ロネは地下の隠れ家の入り口を開けて中へ飛び込んだ。

入り口に入ると、薄暗い階段が続いている。ロネは明かりを魔法でつけ、階段を駆け下りていく。

「ゾーイ！ゾーイ！」

ロネはゾーイの名前を呼びながら部屋を一つずつ見ていく。その時、ドンと大きな物音が響いた。