「ま、待って!るい君!」

「…なに。」

「ごめん、足が」


茜ちゃんは靴擦れを起こしていた。


バカだ、僕は。


「ごめん茜ちゃん。あそこのベンチに座ろっか。」


僕は茜ちゃんをひょいっと抱えてお姫様抱っこをした。


「る、るい君っ?それはちょっと恥ずかしいんだけど……」

「ごめん、すぐそこだから許して」


お姫様抱っこは何度かした事があるけど、茜ちゃんを抱っこするのは少し緊張した。