「おかえりなさいませ、アリーダ様!アイリーン王女、見つかったんですか」

「ええ。」

「え!よかったですね!」

「サリー、アイリーン王女はね、私だったの」

「………え!?ならなんでここに」

「ザリアが、王国の支配を目論んでるの、知ってるわね」

「はい。」

「ザリアが、私に成り済ましたのよ」

「私は、1度しか陸に上がれない。もう行けないの」

「そんな…。」

「全て思い出したの。私は失踪する前日に、恥をかかされた。私は怒った。そしてここに、願いを叶えてもらいにきたの。強い力がほしい、彼等を見返したい。とね」

「なるほど…。それがザリアだったと。」

「ええ。ザリアは代償として、彼女の後を継いでここの魔女になること、だった。私は別に陸にはいたくないからいいやと思って、快く引き受けたの。でも、継いだ後で知ったわ。陸には1度しかいけないこと。それから、私は…ザリアに記憶を消された。そして、何も感じないような心にされてしまった。」

「それで…。」

「折角、私は感情を取り戻したのに…。愛するという感情も…。」

「ジャックが、好きなんですね」

アリーダことアイリーンは窓辺に立った。

「私はもう…」

目に涙を浮かべるアイリーン。
それを悲しそうに見つめるサリー。
2人は、オルテーン王国が大変なことになっていると、知らなかったのだ。