ジャックはアリーダに聞いてみた。
「何を考えてるんだ」

「何も」

アリーダは変だ。なぜかと言うと、ジャックと話しているときも、人魚のサリーと話しているときも、いつも瞳に輝きがない。無機質なのだ。
笑うことなんてまずない。
魔女だとして片付ければそれで済むのかもしれないが、何か引っかかる。

「何であんな深い所に住んでるんだ」

「関係ないでしょ、あなたには」

そのうち光が見えてきた。



アリーダは考えたいた。私がその気になればアイリーン王女を魔法弟探すのくらいできる。
アリーダは深海の魔女の2代目。
先代から言われた言葉、それがアイリーンだったのだ。
先代の魔女、ザリアは去る前にアイリーン、とだけ言葉を残した。
だから、私は直接アイリーンを探す必要がある。



陸に出るとジャックは言った。
「アイリーンの本はあっちの方だ。」


「ジャック様、こんにちは、あら、お連れ様がいらっしゃるのですね!」

「様はつけないで良いって、言ったじゃないか。」

「お連れ様とはどういう関係で…?もしかして…」

「いいえ。横から口を挟みますが、私と彼はそのような関係ではないです。彼と私は契約を……ムグッ」
ジャックは咄嗟にアリーダの口を塞ぐ。

「そのような関係ではないのは確かです」

「あら、そうなんですか?そう!そうなのね!あらやだ、あっちでマーケットが始まったわ!ジャック様、お邪魔しましてごめんなさいね!」
町民のおばさんは足早に去っていった。

「ねえ。よく口を塞いでくれたわね。私が誰かわかっててやってる?」

「ごめんごめん、許して」

「全く