土方さんを見ると、かつての思い出が甦ってくる。

たくさんたくさん笑って泣いて、時には怒って。

家族のように過ごしてきた毎日を。


そしてそのときはずっとずっと大人だと思っていた副長が、私を今も抱き締めてくれている。



「土方さん…ガキは論外だって、言ってたのに…っ、」


「…忘れた」



そんなの絶対に嘘。

土方さんは親でもなくて兄でもなくて、土方さんはやっぱり土方さんだって思ってた。


その意味はこういうことだったのかなって……今なら無理矢理にでも繋げてしまうことが出来る。



「っ、ゃ…ぁ…っ、」


「…んな声出してる女がガキなわけあるか」



そう見られていることが恥ずかしくて、嬉しくて。

私の中で土方さんは手を伸ばしても掴めない人だったのに。


今はこんなにも一番近くで触れる。



「…きもち…いい、もっと、して……」


「───…ただの女じゃねえか」



お父さん、私は幸せだよ。

女の子として生きれているんだよ。


でも沖田さんにも朔太郎にも見破られちゃってたのは、土方さんには秘密にしておくね。



「……おい、梓。おい、」


「@&#%~#@&…」


「…勝手に出来上がってんじゃねえよ。どんだけ俺を生殺しにすりゃあ気が済むんだこいつは」



はぁ…と、聞こえたため息も。

優しい夜に溶けていった。