ガタガタガタ───。
風に叩かれた戸が揺れる。
行灯の光も息を吹きかけられたように不安定だった。
「ひ、土方さん、」
「ったく…」
腕を伸ばせば、すぐに掴んで引き寄せてくれる。
ポンポンと背中を優しく叩いてくれる安心と共に、抱き締められている緊張感も生まれた。
「お前は今は女だ。…もう男になろうとしなくていい」
「…うん」
この人の腕の中はどうしてこんなにも安心するんだろう。
前も後ろも上も下も、全部の角度から守られているみたいで。
「無理、してるっつったろ」
「……うん」
「今も…無理してるからな」
その意味が分からないわけじゃない。
だって身体が熱いのは私だけじゃないから。
ドキドキと激しく動いているのは、私だけじゃない。
「───…無理、しなくて……いいよ」
そんな大胆な発言をまさか自分が言ってるなんて理解してなかった。
ピクリと反応した土方さんは、ゆっくり身体を離す。
そして薄暗い中、じっと見つめてきた。
「…言ったな、気絶すんなよ」
「う、うん…っ」