それから数日経ったある日───。


その日は天気が悪く、大雨になるだろうと近所の人達も言っていた。

海が近いこの場所は雨の日は風も強く吹く。


台風のような豪雨の前兆、前日に買い物に行っておいて良かったと心底思った。



「いま光った…?雷…?」


「山が近ぇからどこかに落ちたんじゃねえか」


「土砂崩れとか大丈夫かな…」


「まぁ明日には止むだろ」



ピカッ!!ゴロゴロゴロ───…!


遠いような近いような場所から繰り返し聞こえる。

ズズズとお茶を啜る土方さんは、チラッと私を見つめた。



「…お前怖くねえのか」


「雷…?…平気だよ」


「新撰組にいた頃も1回あったろ、すげえ豪雨」


「うん、あのときも朔太郎は怖いって泣きついてたけど……お兄ちゃんにならなきゃいけなかったから」



だから平気なふりをしていたら、いつの間にか平気になっていた。

自分は男だからこんなくらいで怖がっていたら駄目だと、いつも言い聞かせていたっけ。


───ドンッ!!



「っ…!!」



さすがに今の音は怖かった。
かなり近くに落ちたような気がする。

雷は近いと、ドンッと爆発音に似た音がするらしい…。