“何に”とは、自分でもよく分からないけれど…。


土方さんは我慢をしているような、それでいて遠慮をしているような。

そんなふうに感じるときがある。



「…してる、つったら?」


「し、してるの…?」



その返事はない。

やっぱりしてるんだ…。


“歳三さん“とは、まだ恥ずかしくて積極的に呼べないから。

昼間のときみたいに女の人が彼に近付いたら譲ってしまうから。

妹だと間違われてしまうほど、私には魅力が無いから。



「言いてえことがあんなら言わねえと分かんねえぞ、俺もお前も」



思わずぎゅっと抱きついた私に、その背中をポンポンと叩いてくれる。


言わなきゃわからない…。


本当は女の人の視線をいつも惹いてしまうところとか。

最近、彼はたくさん笑うから。

それもちょっと他の人に見られるのが嫌だったりする。