そんな土方さんが仕事を終え、布団に入ったタイミングで声をかけた。



「だ、だめ…かな」



「甘える」というのは難しい。

というより、甘え方が分からないと言った方が正しい。

昔からそれだけは誰よりも疎い自信があった。



「なにするか分かんねえぞ」


「───…え…?」


「…冗談だ。ほら、来い」



彼はポンポンと、布団を叩く。

それでもまた違ったドキドキ感が生まれたのは、土方さんがポツリと呟いた言葉が原因なのだろう。


土方さんは冗談なんか言う人じゃない。

約7年、彼を見てきた。
そんなこと1度たりとも言ったことは無かった。


土方さん、土方さんは……



「…無理、してる…?」



ぎゅっと襟を掴むように、腕枕をしてくれる彼へ見上げるように言った。

無理、してるんじゃないかなぁって。