大切な言葉はこうしてちゃんと言わなきゃ。

人はこうして気持ちを伝えることが出来るんだから。

せっかく言葉があるんだから、使わなきゃ勿体ない。



「私、今すごく幸せ…。ありがとう土方さん、…歳三さん」



両方、ありがとう。

鬼の副長のあなたも、こうして一番に愛する人となってくれたあなたも。



「…お前昔からそういうとこあるよな」


「え、どういうところ…?」


「なんつうか、……無自覚に俺を落としにかかってくる」


「そ、そんなつもりないのに…」



すべて私の素直な気持ち。

きっとそれは今までだってあなた達に、あなたに出会って。

ずっとずっと奥深くにあったもの。


それでも伝える術を知らなかった私は、いつも言えなかった。

飲み込んでしまって、あとから後悔して。



「歳三さん、…だいすき」



でもそろそろ起きなきゃ。

私だって毎日の楽しみなんだよ。
あなたにご飯を作ってあげられること。



「…ほらな、無自覚が一番怖ぇんだよ」