優しい言葉とはなんなのだろう。

彼が求めている言葉、私があげられる言葉。


愛とは、とても深くて、量り知れないもので。

きれいで───…



「…綺麗だ。」



同じ言葉を言った彼の方が綺麗なのに、本当に温かな眼差しで言うから。


ああ、良かったって。
この傷があって良かった、なんて。

そんな変なことを思ってしまう。



「土方さん…ぜんぶ、あげる」



私の、ぜんぶ。

私の命はあなたのもので、あなたの命は私のもの。


あなたが哀しかったら私も哀しい。
あなたが笑うなら私も笑う。



「でも、そこまで私は何も持ってないけど…」



それでもいいかな…。

土方さんが喜んでもらえるものをあげられるか自信がない。

私は、私しか持っていないから。


お金だって名誉だって地位だって、何ひとつなくて、取り柄のないような人間かもしれないけれど。



「十分だ。お前だけがここに居てくれりゃあいい」



土方さん、独占欲ってきっとこれだね。
あなたが教えてくれた感情なんだよ。

それも土方さん限定の。



「あ…、それとね土方さん、」



そうだ、言わなきゃいけないことがまだあった。



「───…近藤さんと、沖田さん…朔太郎に会ったよ」