いつ…?いつから私のことをそういうふうに見てくれていたの…?
なんで?どうして?
そんな質問は、彼が一番に嫌うことだ。
でも気になってしまう。
「ひ、土方さん私に惚れてるの…?」
「…なんだ今更。嫌いな女と手ぇ繋いで帰って暮らせるほど俺ぁ器用じゃねえぞ」
「…うん。わ、私も───…好き…」
「……」
いつから好きだったの…?
私のどこが好きなの…?
とは、聞けぬまま。
「無自覚っつうのは怖えな」
「え…?」
「俺はお前が思ってるほど聖人君子じゃねえとは言っておく」
聖人君子…?
確かに土方さんは乱暴でぶっきらぼう。
でも優しい人だってことは私が一番に知っていて、けど知らないこともまだまだたくさんあって。
「…土方さん、……さ、寒い」
「…今は夏なんだがな」
人の気配のしない小道、立ち止まった私は背伸びをするように彼の首に腕を巻く。
ぎゅっと背中に回った大好きな人の手。
「…これは出来て口吸いはしねえって意味わかんねえよ」
私はこれを自分の中で。
「土方さん病」と、呼んでいる───。