あのときからずっとずっと心のどこかでつかえている何かが……。
それが何なのかは今だにわからない。
いつ思い出すかもわからない。
ずっと思い出せないかもしれない。
それでも僕は……。
僕は生きていく。
僕には……大切な家族がいるから……。
大切な妻と娘と息子がいるから。
僕は大切な妻と娘と息子と共に生きていく。
きっとそれが僕にとっても思い出せない何かにとっても……。
この場所に咲いてくれている一輪の花さんやたくさんの草花さんたち……。
いつもありがとう。
これからもよろしくね……。
僕たち家族の元気のもとの一輪の花さんやたくさんの草花さんたち。
これからも僕たち家族はきみたちと共に生きていきます……。
「パパ、今日も歌おうよ」
「そうだね」
この場所に来ると僕たち家族は歌を歌う。
それはあの頃から変わらない。
そして僕と妻と娘と息子は歌を歌い始めた。
それに合わせてくれるかのように草花たちも揺れている。
そして一輪の花も……。