ダメだ……そんなことを考えてしまっては……。

 そんなことを考えてしまっては本当に……。



「優くん……?」


 ……‼


 加恋ちゃんの呼びかけに僕は我に返った。


 そして気付いたらいつもの待ち合わせている公園にいた。


 もう着いてしまったんだ……早いな……。


「優くん、今日はありがとう。とても楽しかった」


「僕も楽しかったよ。ありがとう」


「じゃあ、また明日、部活のときにね」


「うん、また明日」


 そう言って僕と加恋ちゃんは、つないでいた手を離した。


 そして加恋ちゃんは僕に手を振って前を向いて歩き出した。


 そんな加恋ちゃんのことを見つめている、僕。


 ……加恋ちゃん……。


 ……嫌だ……。


 ……嫌だ……行かないで加恋ちゃん……‼


 僕は加恋ちゃんのことを追いかけて加恋ちゃんの腕を掴み、そのまま引き寄せて加恋ちゃんのことを抱きしめた。


「……優くん……」


「……加恋ちゃん……」


「……離れたくない……加恋ちゃん……」


「……優くん……」


「……加恋ちゃんは……?」


「……え……?」