触れたくて触れたくてしかたがない。


「優くん……ダメ……」


 加恋ちゃんのかわいい声。

 僕は、その声により気持ちを高ぶらせる。


 僕は、今の僕を止めることができない。


「……待って……優くん……」


「……加恋ちゃん……なんで待ってなの……?」


「……恥ずかしい……」


 また可愛らしい声を出す加恋ちゃん。

 こんなにも可愛らしい加恋ちゃんがすぐそばにいるのに止められるわけがない。


 どうしよう……このまま加恋ちゃんに溺れてしまいそう……。


「……優くん……歌……歌おう……」


 そう言った加恋ちゃん。

 でも僕にはその言葉は、ほとんど耳に入ってこない。


「……ヤダ……歌わない……」


 僕は、きっと加恋ちゃんのことを困らせているのかもしれない。


 ……僕は……。

 ……僕は、いけない人間かもしれません……。


 加恋ちゃんが困っているかもしれないのに、そんな加恋ちゃんにそそられる僕がいる。

 加恋ちゃんの困っている様子が可愛くて可愛くてたまらない。


「……かわいいよ……加恋ちゃん……」