外は、いろいろな人たちが歩いている。


 その中でも目に入ったのが……。


 仲睦まじく歩いているカップルたち。


 その様子を見た後で僕は外に向けていた顔を店内に戻した。


 そして向かいに座っている加恋ちゃんの方を見た。


 僕が加恋ちゃんの方を見ていると加恋ちゃんが僕の視線に気付いた。


「どうしたの? 優くん」


「あ……ううん、なんでもない」


 僕の目の前に座ってハンバーガーを食べている加恋ちゃんがものすごく可愛くて見つめていた……というのは恥ずかしくて言えなかった。





 食べ終えてファーストフード店を出た僕と加恋ちゃん。


 食後の軽い運動も兼ねて僕と加恋ちゃんは手をつなぎながらゆっくりと歩いていた。


 加恋ちゃんと手をつなぎながらゆっくりと歩いている。

 ささやかだけど僕にとってはとても大きな幸せ。

 加恋ちゃんとずっといつまでもこうしていたい。

 それが僕のたった一つの願い。



 僕は、そう思いながら加恋ちゃんとしばらくゆっくり歩いた。


 そろそろ加恋ちゃんに次はどこに行きたいか訊こうと思った。