僕は、そう言って加恋ちゃんのことをそっと抱きしめた。
「加恋ちゃんは何も心配しなくてもいいよ。こうして加恋ちゃんと一緒にいることが僕の幸せだから」
「……優くん……」
「あと、愛美ちゃんのこともね、僕にとって愛美ちゃんは幼なじみ。それ以上でもそれ以下でもないよ」
「……優くん……ごめんね……わたし……」
「いいよ、加恋ちゃん、何も言わなくて」
「……優くん……ありがとう……」
「加恋ちゃん……」
「おっ、お熱いねぇ~、お二人さん」
……⁉
僕は声がする方を恐る恐る見た。
「な……なんで……⁉」
そこには同じクラスの男子たちがいた。
「もぉ~、草野くん♡ そんなに見せつけないでよぉ~♡」
僕は頭の中がパニックになった。
パニックになり過ぎているせいか、僕は加恋ちゃんのことを抱きしめたまま身体が固まって動かなくなってしまった。
「な~に~、草野くん♡ そんなに加恋ちゃんと離れたくないのぉ~♡」
ニヤニヤしながら言ってくる男子たち。
僕は、ますますパニックになって、どうすればいいのか困ってしまった。