よし‼ 加恋ちゃん、いつでも来い‼


 そんな気持ちで加恋ちゃんを待つ。

 そして……。


 加恋ちゃんが帰る準備を終えた。


 帰る準備を終えた加恋ちゃんに僕はいつものように声をかけようとした。

 すると……。


 ……あれ……?

 加恋ちゃん……?


 加恋ちゃんはいつもと違う門から出ていくのが見えた。


 ちょ……ちょっと、加恋ちゃん⁉


 僕は慌てて加恋ちゃんのことを追いかけた。

 そして加恋ちゃんに追いついた。


「加恋ちゃん‼」


 僕の呼びかけに加恋ちゃんは立ち止まった。

 でも加恋ちゃんは僕の方を振り向いてくれなかった。


 僕は後ろから加恋ちゃんの手を握った。

 そして加恋ちゃんの手を握った僕は加恋ちゃんの正面にまわった。


「加恋ちゃん」


「優くん……」


 加恋ちゃんは僕の名前を呼んで、そのまま下を向いてしまった。


 僕は加恋ちゃんに、どうしても訊くことがあった。


「加恋ちゃん……どうして僕のことを避けるの?」


「…………」


 加恋ちゃんは無言のまま。


「加恋ちゃん……」