「うん、覚えてるよ。久しぶりだね、愛美ちゃん」


「さっき先生が『草野』って呼んでいたのを聞いて、ひょっとしたらって思ったの」


 愛美ちゃんは相変わらず元気いっぱいだ。


「やっぱり優くんだったぁ、ほんと懐かしいね~」


「ほんと懐かしいね」


 僕は愛美ちゃんと話していて、とても懐かしい気持ちになった。


 そうして僕と愛美ちゃんが話していると……。


「あ~、草野が別の女と仲良く話してる~。とうとう花咲にもライバル登場だな」


 ……え……⁉ ちょ……ちょっと……‼


 な……何を言ってるの⁉


 男子の一人がそんなことを言い出した。


「花咲にライバル?」


 愛美ちゃんは不思議そうな顔をしていた。


「き……気にしなくていいよ、愛美ちゃん」


 僕は愛美ちゃんにそう言った。

 そう言ったのに……。


「何言ってるんだよ。お前、あんなかわいい彼女がいるのに別の女と仲良くしてるなんてさ~。お前、贅沢なんだよ」


 また別の男子の一人がそんなことを言ってきた。


 べ……別の女って……。


 な……何を言ってるの⁉